通信料金と端末代金の完全分離に伴うドコモの新しい料金体系の全容が明らかになりました。
最大4割値下げの報道もあり期待していましたが、蓋を開けてみれば、あまり安くなっていない印象を受けた人も多いかと。
6月1日(土)から新料金プランが開始されるため、現行プランは5月31日(金)で受付終了します。新プランよりも「docomo with」や「月々サポート」などの端末購入補助に魅力を感じるなら、既存の料金プランを選択できるうちに機種変更しときましょう。
自分は、安くスマホが購入できる現行プランで機種変更したほうがメリットが大きいと感じたので、5月31日までに駆け込みで「Pixel 3」に機種変更することに決めました。
ドコモの完全分離プラン「ギガホ」「ギガライト」の概要・注意点
改正電気通信事業法が2019年10月にも施行され、通信料金と端末代金の完全分離が義務付けられます。これにともない、端末購入を条件とした通信料の割引やキャッシュバックが禁止されます。そのため、携帯電話各社は、完全分離プランに対応する新料金プランを導入しました。
NTTドコモは、2019年4月15日(月)に、家族間国内通話無料の音声プラン、spモード、データ通信を1つにまとめた新料金プラン「ギガホ」「ギガライト」を6月1日(土)から導入することを発表。また、2019年5月16日(木)に2019年夏モデル発表会で、端末代金の負担を減らすための「スマホおかえしプログラム」を提供することを発表。これにより、通信料と端末代を合わせた新しい料金体系の全体像が示されました。
6月1日(土)からの新料金プラン提供開始に伴い、Xi・FOMAの「カケホーダイ&パケあえる」料金プラン、「docomo with」などの割引サービス、「月々サポート」「端末購入サポート」などの割引サービスは、2019年5月31日(金)をもって新規受付が終了します。
ココがポイント
現行プランは5月31日(土)で新規受付終了。継続利用者は、プランの変更やパケットパックの変更は可能
プランを変更せず、現在契約中のプランを継続することはもちろん可能。現在「カケホーダイ」「カケホーダイライト」「シンプルプラン」を契約中の人は、6月以降も音声プラン間の変更は可能。また、「ベーシックシェアパック」「ウルトラシェアパック」「ベーシックパック」「ウルトラデータパック」「ケータイパック」間の変更もできます。
新料金プランの特徴として、
- 家族間国内通話無料(家族以外への国内通話は、20円/30秒)の音声プラン、ISP(spモード)、データ通信料が一体となった料金プラン
- 大容量プラン「ギガホ(30GB)」か、4段階プラン「ギガライト(1GB~7GB)」の2つのプランから選択
- 音声オプションとして、「5分通話無料オプション」「かけ放題オプション」を選択
- みんなドコモ割(ファミリー割引の音声回線数に応じて毎月最大1,000円割引)
- ドコモ光セット割(ドコモ光契約で毎月最大1,000円割引)
- ずっとドコモ特典(dポイントクラブステージに応じて、毎年最大3,000ポイント付与)
複雑な料金体系からシンプルに2択となりました。契約内容によっては、新料金プランに切り替えることで、料金負担が抑えられることもあれば値上げになる可能性もあるので、1人1人に合わせた料金プランの診断が必要です。
ココに注意
現在、月々サポート適用中の人は、「ギガホ」「ギガライト」に切り替えると端末割引が廃止
Androidスマートフォン・タブレットやiPhone・iPadを購入したほとんどのドコモユーザーは、新規契約・MNP・機種変更時に月々サポートの割引が適用されているはずです。新料金プラン「ギガホ」「ギガライト」「ケータイプラン」「データプラス」「キッズケータイプラン」は「月々サポート」の対象外。割引適用中の回線が新料金プランに変更変更する場合、端末割引が廃止になります。
月々サポートの適用期間が終了してから、新料金プランに切り替えたほうが総合的にはお得になるはずです。月々サポート適用期間中のドコモユーザーは、新料金プランに切り替えるタイミングに注意してください。
スマホの新しい買い方「スマホおかえしプログラム(36回払い)」の概要
新しいスマートフォンの購入方法として、「スマホおかえしプログラム」が開始されます。
ドコモの2019年夏モデルの販売日は、すべて6月1日以降なので、月々サポートなどの端末購入割引は不可。「スマホおかえしプログラム」に加入して36回払いで端末を購入する場合、端末をドコモに返却することを条件に最大12か月分の残債が免除されます。
- 36回分割で対象機種を購入する場合に加入可能
- 購入した対象機種を、ドコモが定める条件に基づき返却することで、分割支払金の最大12回分の支払いが不要
- 故障、水濡れ、著しい外観破損や画面割れなど査定条件を満たしていない場合、2万円(ケータイ補償サービス加入の場合、2,000円)の故障時利用料が必要
- 回線契約の継続や機種変更などの条件なし
現行プランを維持したまま、「スマホおかえしプログラム」に加入は可能ですが、端末補助が廃止され定価販売になるため、端末購入の負担が大幅に増します。現行プランの維持するなら、端末購入補助の割引が大きい今機種変更したほうがお得です。
月々サポートによる端末割引がある現行プランのほうが、スマホの実質負担額は安い
現行プランで機種変更した際の実質負担金(月々サポート)と新料金プランで機種変更した際の端末料金(24か月目に返却)の2年間の本体価格を比較すると、端末購入補助が廃止される影響は大です。
機種名 | 本体価格 | 月々サポート実質負担金 | スマホおかえしプログラム |
iPhone XR 64GB | 9万8,496円 | 3万4,344円 | 6万5,664円 |
iPhone XS 64GB | 12万8,952円 | 6万4,800円 | 8万5,968円 |
iPhone XS Max 64 | 14万1,912円 | 7万7,760円 | 9万4,608円 |
Galaxy S9 | 9万9,792円 | 1万378円 | 6万6,528円 |
HUAWEI P20 Pro | 10万3,680円 | 3万1,104円 | 6万9,120円 |
Xperia XZ3 | 9万8,496円 | 5万1,840円 | 6万5,664円 |
Google Pixel 3 | 9万8,496円 | 2万7,216円 | 6万5,664円 |
Google Pixel 3 XL | 13万1,544円 | 6万264円 | 8万7,696円 |
※端末料金は、ドコモオンラインショップの価格。
端末料金を比較すると、ハイエンドモデルなど月々サポートの割引額が大きい端末は、5月31日(金)までに購入したほうが圧倒的にお得です。
また、iPadが欲しい人は、5月までに駆け込みで機種変更したほうがいいです。iPadは、スマホおかえしプログラムの対象外のため、6月以降は、端末購入補助が廃止され、定価販売となるため。
ココに注意
月々サポートなどの端末購入補助が6月から廃止。6月以降は、Androidスマホ・iPhoneは、端末料金の割引がなくなり定価販売が基本
スマホおかえしプログラムは2年後にドコモに返却することが条件。値引きなしの本体価格を全額支払って初めて所有権が自分のものになります。一方の現行プランによる機種変更は、2年後には自分のもの。どちらがお得か一目瞭然です。
現在、最新モデルのAndroidスマホ・iPhoneを検討している人は、現行プランで新しい機種を購入したほうがいいです。5月末までなら、月々サポートによる割引で最新機種を安く購入できます。
5Gが2020年春開始。5G対応スマホ・料金プランが来年にも発表
ドコモの5G(第5世代移動通信システム)は、東京オリンピックが開催される2020年春には商用サービス開始予定。プレサービスは2019年9月に開始予定。
5Gの特徴「超高速」「超大容量」「超大量接続」「超低遅延」が、様々な産業を根底から変える可能性があると言われています。通信速度が速くて、映画を数秒でダウンロードできたり、スポーツの試合などインターネットの動画中継で遅延がなくなったりします。
その5Gのサービス開始がすぐそこまで迫ってきており、5G対応スマホ・料金プランも来年には発表されます。5Gの料金プランは、「使い放題」のような料金体系になると言われており、今慌てて機種変更するよりも5G以降のタイミングで乗り換えたほうが良い可能性もあります。どちらが長期的にはお得か判断が難しいところです。
来年の今頃には5Gが開始されることも踏まえて、いま機種変更するべきかどうかも考えてみてください。
新プランと現行プラン、どちらがお得。料金シミュレーションの結果は?!
自分の場合、新料金プランと現行プランどちらのほうがお得になるのかシミュレーションしてみました。
契約年数15年以上で、ファミリー割引の音声回線が3回線以上。音声通話は5分以内がほとんど。音声通話よりもデータ通信がメインで、インターネット閲覧やSNS、動画視聴、ソーシャルゲーム、テザリングなどで毎月データ容量10GB以上を消費しています。
自分の場合、ギガホに乗り換えたら、月々565円安くなる試算
現在契約しているプランが以下の通りです。
現行の料金プラン | 税込価格 |
カケホーダイライトプラン(スマホ/タブ) | 1,836円 |
spモード | 324円 |
ウルトラデータLパック(20GB) | 6,480円 |
ずっとドコモ割プラス(プラチナ) | -864円 |
合計 | 7,776円 |
端末代金や各種オプションは含めないと、月々7,776円(税込)の支払いになります。
さて、新料金プランではどのくらい安くなるのでしょうか。
新料金プラン | 税込価格 |
ギガホ(30GB) | 7,535円 |
5分通話無料オプション | 756円 |
みんなドコモ割(3回線以上) | -1,080円 |
ギガホ割(6か月間割引) | -1,080円 |
合計(6か月まで) | 6,135円 |
合計(6か月以降) | 7,211円 |
ギガホ割(6か月間1,000円割引)がなくなる6か月以降でも、7,211円(税込)となり、月々565円安くなりました。最大4割値下げ報道もあり、期待していたので正直微妙です。
でも、毎月565円安くなり、データ容量が10GB増え、超過後の速度制限が送受信時最大1Mbpsに大幅アップするので、新料金プランの恩恵は大きいです。
ドコモのサイトで、月々の支払い額を診断できる料金シミュレーションがあり、現行プラン・新料金プランを簡単に比較できます。
また、5月22日から、ドコモのサイトで、直近3か月間の利用状況(料金プランや利用データ量など)をもとにプラン診断ができる「しっかり料金シミュレーション」が開始されました。
家族の複数回線をまとめてシミュレーションも可能ですが、一括請求グループ代表者以外が「しっかり料金シミュレーション」する場合、家族全員の事前同意が必要となる点に注意。代表者がする場合は、事前同意は不要。
でも、大事なのは、端末代金を含めたトータルの支払いです。
従来の月々サポートや端末購入サポートが廃止される影響は重要なポイントです。実際に、端末代金を含めるとどうでしょうか?
端末代金を含めたトータルの支払いだと、新料金プランは値上げ
2019年夏モデルは、すべて6月1日以降の販売なので、現在販売中のスマートフォンで検証してみました。購入を検討しているのが、「Google Pixel 3」です。
まずは、現行プランで機種変更した場合の端末料金です。本体価格は、ドコモオンラインショップの価格です。
価格(税込) | |
総額 | 9万8,496円 |
SPECIAL特典 | -5,184円 |
月々サポート | -6万6,096円 |
実施負担金 | 2万7,216円 |
24回払い | 月々1,134円×24回 |
月々サポートや端末購入サポートなどの端末割引があるのは、5月31日まで。
月々サポートの割引が大きく、実施負担金2万7,216円(月々1,134円×24回)で購入可能。5万円以上するかと思いきや、購入しやすい価格まで値下げされていてびっくりです。
6月1日以降の「スマホおかえしプログラム」を利用して購入した場合は以下の通りです。
総額 | 9万8,462円 |
36回払い | 2,736円×36回 |
24か月目に返却 | 6万5,664円 |
6月以降は定価販売になるため、9万8,462円の支払い。「スマホおかえしプログラム」を利用して、24か月目にドコモに端末を返却すると、6万5,664円(2,736円×24回)の自己負担となります。
やはり、端末購入補助のある現行プランのほうが本体価格が安くなりました。
自己負担額 | 2年後 | |
「月々サポート」で購入 | 2万7,216円 | 自分のもの |
「スマホおかえしプログラム」で購入 | 6万5,664円 | ドコモに返却 |
差額 | 3万8,448円 |
端末購入補助(月々サポート)があるとないでは、3万8,448円も違います。また、返却せず手元に残しておくためには、総額9万8,462円を支払う必要があり、7万1,246円も負担が増す結果になります。
やはり、ハイエンドモデルで大きな割引が適用されている機種ならば、やはり5月31日までに買っておくべきですPixel 3に限らず、iPhoneやiPad、XperiaなどのAndroidスマホでも同じような結果になります。現在購入できる端末で機種変更を検討している人は、現行プランで機種変更したほうが良いですね。
改めて、携帯料金と端末代金を含めたトータルの支払いで比較すると、
現行プラン(税込価格) | 新プラン(税込価格) | |
月々の通信料金 | 7,776円 | 7,211円 |
月々の端末代金 | 1,134円 | 2,736円 |
トータルの支払い | 8,910円 | 9,947円 |
新料金プランに乗り換えて機種変更するのは損な結果に。自分の使い方では、料金Pixel 3を購入するとしたら、現行プランを維持して機種変更したほうが月々の支払額を節約できる結果になります。
5月31日までなら、「Pixel 3a」よりも「Pixel 3」ほうが本体価格が安い
Pixel 3の本体価格(実質負担金)が想像以上に値下げされており、5月31日までなら、Pixel 3の廉価版「Pixel 3a(ドコモ6月上旬販売予定)」よりも本体価格が安いです。
5月31日までなら端末購入補助の割引が適用され、実施負担金2万7,216円で購入可能。6月1日以降は、月々サポートが廃止され、定価販売が原則になり大幅値上げの形になり、負担感が増します。
Pixel 3 | Pixel 3a | |
本体価格 | 9万8,496円 | 4万6,656円 |
実質負担金 | 2万7,216円 |
ギガホに乗り換えて、Pixel 3aを購入しようと考えていましたが、想像以上にPixel3が値引きされているので、現行プランでPixel 3に乗り換えることに決めました。ドコモショップにいっても長時間待つ必要があるので、待ち時間なしで24時間いつでも申し込みできる「docomoOnlineShop(ドコモオンラインショップ)」で機種変更します。
こんなことなら様子見をせず、3月の値引き額が大きいキャンペーン時期に機種変更したほうがよかったと後悔です。
まとめ
6月1日(土)から新料金プラン「ギガホ」「ギガライト」の提供が開始されます。ドコモのウェブサイトで新プラン・現行プランの料金シミュレーションでどちらがおトクになるのか簡単に診断できます。
新旧のプランを比較する際に大事な点は、月々サポートなどの端末購入補助が廃止され、6月以降は端末は基本的に定価販売となることです。ハイエンドモデルなど割引額が大きい端末ほど、5月31日までに駆け込みで機種変更したほうがお得になる可能性が高いです。
自分の使い方では、新プランに契約変更するよりも、安くスマホ本体を購入できるほうに魅力を感じたので、現行プランで機種変更することに決めました。ギガホに乗り換えるのは、最短でも2年後になりそうです。
ドコモは、2020年春には5Gサービスを開始予定。5G対応スマホ・新料金プランが来年には発表されます。なので、今慌てて機種変更する必要もないかもしれません。
ドコモショップ店頭は、駆け込み需要で混雑しており、自分の順番が来るまで長時間待たなければなりません。ドコモのサイトから来店予約すれば待ち時間を少なくすることができますよ。また、ドコモオンラインショップなら待ち時間なし、24時間いつでも申し込みが可能です。
なお、インターネットで機種変更するなら、直接公式サイトにアクセスせず、ポイントサイトを経由するのがおすすめ。ポイントサイトを経由して機種変更するだけで、数千円分のポイントを獲得できてお得です。