10月1日の消費税改定に併せて、キャッシュレス・消費者還元事業(ポイント還元事業)が開始されます。現金払いではなく、キャッシュレス決済で買い物・飲食などをすると、最大5%還元を受けることができる大変お得な制度です。
クレジットカードもポイント還元の対象となるキャッシュレス決済手段です。クレジットカード発行会社によって、ポイント還元方法、上限額、家族カード・追加カードの扱いが異なるので、事前に公式サイトで要確認です。
現在、判明している各クレジットカード発行会社の対応をまとめています。
「キャッシュレス・消費者還元事業」クレジットカードの還元額の上限は、月額1万5,000円。会社によって、請求時値引き・ポイント還元に分かれる!
クレジットカード会社の公式サイトで事前登録や申し込みは不要。キャッシュレス・消費者還元事業に参加している対象店舗で、クレジットカードを利用するだけで、自動的にポイント還元されます。ポイント還元の上限額は、1カードにつき、月額1万5,000円相当(9か月間で最大13万5,000円相当)。転売目的での購入など不適切な利用を防ぐため、クレジットカード各社が足並みをそろえました。ただし、還元方法や家族カード・追加カードの取り扱いが各社によって異なります。
「キャッシュレス・消費者還元事業(ポイント還元事業)」については、参考記事で確認してください。
まず、すべてのクレジットカードが対象ではなく、キャッシュレス・消費者還元事業に決済事業者として登録済みのクレジットカード発行会社のカードのみ。また、一部の法人カードなどは対象外となるため、事前にクレジットカード発行会社の公式サイトで要確認です。
理解しておきたいポイント
- クレジットカード利用分の還元額上限は、月額1万5,000円相当。
- 複数枚保有する場合でも、1枚ごとにそれぞれ月額1万5,000円相当の上限が設定。
- カード会社によって、家族カードの扱いが異なる。
- クレカの通常ポイントに加え、ポイント還元事業のポイントも付与。ポイントの2重取りが可能。
会計時の支払い回数は、一括払いに加え、リボ払い、分割払い、ボーナス払いでもポイント還元の対象。ただし、金利・手数料、キャッシング利用は対象外です。クレジットカードの付帯ポイントは、従来通り利用金額に対して付与され、いつもと同じようにポイントを獲得することができます。
クレジットカードと紐づけた「iD」「Apple Pay」「Google Pay」での利用は、本カードの利用分に含まれます。
「アメックス」は、期間中13万5,000円還元。「東急カード」は、月額5万円還元!
月額1万5,000円まで還元なので、5%還元の中小・小規模事業者の経営する店舗なら、月額30万円まで。フランチャイズチェーンの2%還元の店舗なら、月額75万円までの支払いが対象。月額1万5,000円の上限を超えた場合でも、還元額は一律1万5,000円となり、次月に繰り越しはできません。
ただし、アメックス(アメリカン・エキスプレス・カード)のように、月額ではなく期間中の利用で13万5,000円相当とする会社、東急カードのように月額5万円相当と独自色を打ち出している会社もあります。旅行予約やバイク購入、飲み会の幹事など、大きな支払いをする場合、アメリカン・エキスプレス・カードや東急カードで支払うのがお得です。
ポイント還元方法は、1ポイント1円で計算し、クレジットカードの利用分を金融機関の口座から引き落としする際に、請求金額と相殺(請求時値引)する方法、カード会社の独自ポイントとして還元する方法に分かれています。多くのクレジットカード発行会社は、請求金額から減算する方式(利用金額が還元金額を下回る場合は、決済日に支払い口座に振り込み)を採用していますが、楽天カードやオリエントコーポレーションなど一部の会社は、自社のポイントで還元します。
なお、セブンイレブン・ローソン・ファミリーマートなど、即時還元(会計時にその場で値引き・ポイント付与など)を実施する店舗で利用した場合、店舗側の還元が優先されるため、クレジットカードでの追加の還元はありません。
複数枚所持で、還元額を増やすことが可能。家族カードを合算するカード会社に注意
複数枚カードを保有している場合はどうなるかと言うと、1枚ごとに上限1万5,000円が設定されてあるので、2枚、3枚と枚数が多いほど還元額の上限枠を実質的に増やすことが可能です。クレジットカード発行会社が同じ会社でも、それぞれのカード1枚1枚ごとに設定されています。
注意したいのが、家族カード・追加カードの取り扱いです。ポイント還元額の上限を本カードと合算する会社(アメリカン・エキスプレスや三井住友カード)もあれば、家族カードを別カードとして上限を設定する会社(ジェーシービーやイオンクレジットサービス)もあります。自分のカード会社は、どちらの方式で計算しているのか要確認です。
家族カードを本カードと別枠で計算する会社なら、本カードと家族カードで、それぞれ月額1万5,000円還元となり、合計3万円となります。合算する場合は、家族カード利用分も本カードに含まれ、1万5,000円還元のままになります。
家族カードを合算しない会社 | 家族カードを合算する会社 | |||
本カード会員 | 家族カード会員 | 本カード会員 | 家族カード会員 | |
1か月間の利用分 | 30万円 | 10万円 | 30万円 | 10万円 |
還元額 | 1万5,000円 | 5,000円 | 1万5,000円 | × |
合計の還元額 | 2万円 | 1万5,000円 |
例えば、5%還元の店舗で、1か月間に本カード会員が30万円支払い、家族カード会員が10万円支払った場合、JCB(ジェーシービー)だと、本カード会員が1万5,000円分、家族カード会員が5,000円分の還元を受けることができます。一方、三井住友カードだと、本カードと家族カード利用分が合算され、2万円分の還元になります。しかし、上限が1万5,000円を超えた分は切り捨てられるため、5,000円分の還元を受けることができません。
家族カードを発行している家庭は、家族利用分も考慮しないと、同じ買い物でも、 結果的に損する形になるので要注意です。
概要 | |
還元の上限額 | 1カードにつき、月額1万5,000円相当のポイント |
還元方法 | 請求時値引・ポイント還元 |
家族カード・追加カード | 本カードと合算して計算、本カードと別枠として計算 |
還元するタイミング | 1か月の取引を翌月・翌々月の請求時に還元 |
クレジットカード発行会社ごとの違い
現在、判明しているクレジットカード発行会社の対応についてまとめてみました。
クレジットカード発行会社名 | 主なクレジットカード | 還元方法 | 家族カード・追加カードの扱い |
アメリカン・エキスプレス | アメリカン・エキスプレス・カード | 請求時値引 | 基本カードと合算 |
イオンクレジットサービス | イオンカード | 請求時値引 | 家族カードは別カード |
NTTドコモ | dカード | ||
オリエントコーポレーション | オリコカード | ポイント還元 | |
クレディセゾン | セゾンカード | 請求時値引 | 家族カードは別カード |
ジェーシービー | JCBクレジットカード | 請求時値引 | 家族カードは別カード |
東急カード | 東急カード | TOKYU POINT | |
三井住友カード | 三井住友VISA・マスターカード | 請求時値引 | 基本カードと合算 |
三菱UFJニコス | NICOSカード | わいわいプレゼント | |
楽天カード | 楽天カード | 楽天スーパーポイント(通常ポイント) | |
ワイジェイカード | Yahoo! JAPANカード | ||
クレジットカード発行会社の多くは、1か月間の還元上限額を1万5,000円相当分までと設定。アメックスのように期間中13万5,000円相当分、東急カードの月額5万円相当分まで還元とする会社もあります。
カード利用額が多い人は、東急カードを新規発行するのもありですね。
クレジットカード発行会社の還元方法、還元タイミング、家族カード・追加カードの扱いなどについて、10月1日の制度開始前までに確認しておきましょう。自分が保有しているクレジットカードを見直す絶好の機会なので、還元率の高いカードや特典が充実しているカードなど、より自分にあったカードに乗り換えましょう。
なお、クレジットカードを作成する場合、公式サイトで直接申し込むのは損です。ポイントサイトを経由して新規発行するだけで、数千円~1万円程度のポイントを獲得でき、ちょっとしたお小遣い稼ぎになります。
ポイントサイトについては、参考リンクで確認してください。