この記事では、「Google Pay版QUICPay」と「おサイフケータイ版QUICPayモバイル」の違いを説明しています。
QUICPay(クイックペイ)に対応するカード発行会社や利用できる街のお店も増え、QUICPayでお買い物をする人も徐々に増えています。キャッシュバックキャンペーンが開催されるなど、現金払いより圧倒的におトクです。
初めてQUICPayを利用しようと思った時に迷うのが、「Google Pay(グーグルペイ)版」と「おサイフケータイ版」の2種類のQUICPayがあることです。利用できる店舗数は同じですが、対応するカード発行会社の数、初期登録・機種変更・退会など設定面で違いがあります。そこで、どちらを利用したほうが良いのかメリット・デメリットを比較して解説します。
Google Pay版とおサイフケータイ版の違い
- 対応するカード発行会社の数
- 初期設定・機種変更のしやすさ
- 削除・退会のしやすさ
- Google Payだけのメリット
Google Pay版QUICPayとおサイフケータイ版QUICPayモバイルの違い
「Google Pay版QUICPay」は、Google Payに対応するAndroidスマートフォン向けのサービスです。一方の「おサイフケータイ版QUICPayモバイル」は、おサイフケータイ機能に対応するAndroidスマートフォン・フィーチャーフォン(ガラゲー)向けのサービスです。どちらもQUICPayマークがある全国の加盟店で、お買い物する際に「クイックペイで支払います」と伝えて、お店の端末にスマートフォンをかざすだけ。お支払いが完了すると「クイックペイ」という決済音が鳴ります。
対応するカード発行会社の違い:プリペイドカード・デビットカードに対応するのは、Google Payだけ!
まず、対応するクレジットカード会社の数を比較します。QUICPayは、170社以上(2019年6月末時点)のクレジットカード発行会社に対応しています。発行会社やカードの種類によって申し込めるQUICPayが異なります。
QUICPayモバイルに申し込んでも、Google Payは利用できません。Google Payにクレジットカード・プリペイドカード・デビットカードを追加することで利用可能になります。
Google Pay版QUICPay | おサイフケータイ版QUICPayモバイル | |
発行会社 | オーシー OCS 九州日本信販 Kyash ジェーシービーグループ じぶん銀行 ジャックス 日専連 ミクシィ 宮崎信販 モデル百貨 ゆめカード LINE Pay 楽天カード | アプラス オリエントコーポレーション クレディセゾン セディナ トヨタファイナンス 日専連 UCSカード UCカード |
どちらにも対応しているのは、日専連が発行するクレジットカードだけ。プリペイドカード(Kyash・ジェーシービーグループ・ミクシィ・LINE Payが発行するカード)やデビットカード(ジェーシービーグループ・じぶん銀行が発行するカード)は、Google Payのみに対応しています。
QUICPayモバイルとGoogle Payは共存できないため、QUICPayモバイルをすでに利用している端末にGoogle PayでQUICPayを登録すると、QUICPayモバイルの登録が削除されます。つまり、どちらかしか選択できません。
2019年11月28日(木)をもって、JCB(ジェーシービー)がQUICPayモバイルの新規WEB申し込み・再発行の受付を停止しました。QUICPayの開発元がQUICPayモバイルのサービスを終了したので、今後、他のカード発行会社も順次QUICPayモバイルのサービスを終了して、Google Payに統一されることが予想されます。
初期設定の違い:Google Payのほうが簡単に登録でき、すぐに利用可能!
次に、初期登録の際の設定面の違いを解説します。
- Google Pay対応機種:Android5.0以降かつFeliCa搭載端末おサイフケータイ アプリ6.1.5以上で利用可能
- QUICPayモバイル対応機種:Android2.3以上でおサイフケータイ対応機種
それぞれの対応機種は上記の通りです。
QUICPayモバイルの初期設定の手順
- クレジットカード発行会社のサイトからQUICPay利用を申し込む。
- 数日~1週間ほどで、「ID/パスワード」の案内が届く。
- QUICPayモバイルアプリを起動させ、「QUICPayポータルサイト」にアクセスする。
- 「ID/パスワード」を入力し、初期設定を行う。
おサイフケータイ版QUICPayモバイルの場合、申し込みから利用を開始するまでに、数日~1週間(カード発行会社によって異なる)かかり、すぐに利用を開始することができません。
クレジットカード会社の会員サイトにログインして、QUICPayモバイルの利用登録を申し込みます。その後、「ID/パスワード」が記載された案内がメールや郵送で届きます。Google PlayからQUICPayモバイルアプリをAndroidスマートフォンにインストール。アプリ起動させ、「QUICPayポータルサイト」にアクセスし、自分のクレジットカード発行会社を選択し、「ID/パスワード」を入力し、初期登録を完了させます。
一方のGoogle Pay版QUICPayは、数分で初期登録が完了します。
Google Payの初期設定の手順
- Google Payアプリを起動し、追加したいカードをカメラで読み込む。
- メール・SMS・電話で本人認証を行う。
まず、Google PlayからGoogle Payアプリをインストールし起動させ、登録したいクレジットカード・プリペイドカード・デビットカードをスマートフォンのカメラで読み込み、メール・SMS・電話で本人認証を行います。
Youtube動画で分かるとおり、Google Payのほうが、登録が簡単ですぐに利用を開始することができます。
機種変更の違い:Google Payのほうが、簡単に移行可能!
次に、機種変更する際の違いを説明します。QUICPayモバイルは、QUICPayのサーバー上にデータを移し、新しい端末で受け取る手間がかかりますが、Google Payはカードをカメラで読み取って再登録するだけです。
QUICPayモバイルの機種変更の手順
- 機種変更前の端末で、QUICPayモバイルアプリを起動させ、「QUICPayポータルサイト」にアクセスする。
- 「カード発行会社一覧」から自分のカード会社を選択し、「機種変更(お預け)」を選択する。
- 「受け取りパスワード」を設定して、「お預け処理開始開始」を選択する。
- お預け処理が完了すると、受け取りIDと受け取りパスワードが表示される。
- 機種変更後の端末で、QUICPayモバイルを起動させ、「QUICPayポータルサイト」にアクセスする。
- 「機種変更(お受け取り)」を選択する。
- 受け取りIDと受け取りパスワードを入力し、再設定を完了させる。
おサイフケータイ版QUICPayモバイルを追加したAndroidスマートフォンを機種変更する際は、上記の手順に沿って、新しく購入したAndroidスマートフォンにデータを移す必要があります。
注意点は、機種変更前の端末(旧機種)の端末で、サーバーにデータを預ける手順がある点です。携帯電話ショップ・家電量販店などで機種変更する前に、QUICPayモバイルの機種変更手続きを行う必要があります。手続きを行わず、旧機種からデータを削除すると、カード発行会社のインフォメーションセンターに連絡して再発行の手間が余分にかかります。
現在利用している端末で、「QUICPayポータルサイト」にアクセスし、自分のカード発行会社を選択。「機種変更(お預け)」で、受け取りパスワードを設定して、「お預け処理開始」を開始し、QUICPayモバイルサイトのサーバー上にデータを移す。お預け処理が完了すると、受け取りID(10桁)と自分で設定した受け取りパスワードが表示されます。
機種変更後の新しい端末で、「JCB QUICPayモバイルサイト」にアクセスし機種変更(お受け取り)をタップ。 受け取りID(10桁)と受け取りパスワード(6~8桁)を入力。データの受け取りが完了すると、「JCB QUICPayモバイルサイト(登録済み)」が表示され完了となります。
パスワードを設定しデータをサーバーに移して機種変更する手間がかかり、めんどくさいですよね。一方、Google Payなら、登録したカードを削除、読み取って追加するだけ。
Google Payの機種変更の手順
- 機種変更前の端末に追加したカード情報を削除
- 機種変更後の新しい端末に、カード情報を追加
Google PayでQUICPayを機種変更後の新しい端末に移動させる場合は、機種変更前の古い端末のGoogle Payアプリに追加したカード情報を削除。機種変更の新しい端末に、Google PayストアからGoogle Payアプリをインストールし起動させ、QUICPayを追加しカード情報をカメラで読み取るだけです。ご覧の通り、機種変更時の手順もGoogle payのほうが圧倒的に楽です。
退会の違い:QUICPayモバイルは連絡する必要あり!
そして、退会・削除する際の手順で比較しました。これまた、QUICPayモバイルは、連絡する手間がかかりめんどくさい比較結果に。
QUICPayモバイル退会の手順
- 「QUICPayポータルサイト」にアクセスし、「各種お手続き」で会員情報の変更・削除を選択。
- 削除するを選択して、QUICPay会員情報を削除する。
- カード発行会社の「インフォメーションセンター」に連絡し、QUICPay退会の連絡をする。
おサイフケータイ版QUICPayモバイルの利用を停止・削除したい時は、QUICPayモバイルアプリを起動させ、「各種お手続き」で「会員情報の変更・削除」を選択。「削除する」を選択し、端末のFeliCaチップに書き込まれた会員情報を削除します。
端末からQUICPayモバイルのデータが削除されただけで、QUICPayモバイルは登録されたまま。QUICPay利用を停止・退会する場合は、クレジットカード発行会社のインフォメーションセンターに連絡する必要があります。
クレジットカード会社の会員サイトから退会できれば楽なんですけどね。一方、Google Payは、カード情報を削除するだけ。電話連絡の手間いらずです。
Google Pay退会の手順
- Google Payアプリを起動させ、「QUICPayのメインカード」をOFFにする
- 「お支払い」「カード」 をタップ。
- 「お支払い方法の削除」をタップしてカードを削除。
Google Payアプリ内に登録したカード情報を削除するだけ。ただし、「QUICPayのメインカード」をOFFにしないまま、登録カードを削除すると、おサイフケータイアプリにQUICPayアプリが残ったままになります。おサイフケータイアプリ内の「サポート・規約」「メモリ使用状況」のメモリが0になっていない場合、痕跡が残っている状態なので、忘れずに消去しましょう。
初期登録・機種変更・退会(削除)の設定面から比較しても、Google pay版のほうが手軽に手続きを完了させることができます。
QUICPayモバイルにはないGoogle Payだけのメリット
Google Payには、複数のクレジットカード・プリペイドカード・デビットカードを登録することが可能です。複数枚登録している場合、決済時に利用されるのは「QUICPayのメインカード」と表示されているカードです。メインカードの切替は、Google Payアプリからいつでも自由に設定変更が可能です。
カード発行会社ごとのキャッシュバックキャンペーンや限度額の上限の関係で、複数枚のカードを組み合わせて利用できるのは、Google Payです。QUICPayモバイルは、1台の端末に複数のカードを登録できません。
キャッシュバックキャンペーンを上手に活用したいなら、複数枚のカードを使い分けることができるGoogle Payに軍配があがります。
まとめ
初期登録・機種変更・利用停止の際の手間を考えると、Google Payに追加したほうが楽です。また、複数枚のカードを使い分けることができるので、QUICPayに連動したキャッシュバックキャンペーンでお得にお買い物ができます。
QUICPayサービス提供元のJCBが2019年11月末で、QUICPayモバイルの新規受付・再発行を停止したので、QUICPayモバイルは将来的には廃止され、Google Payに統一されるはず。現在申し込めるオリコカードやクレディセゾン、セディナなども受付終了することが予想できます。なので、新しくQUICPayを開始する人は、Google Payで申し込んだほうがいいです。
以上、Google Pay版QUICPayとおサイフケータイ版QUICPayモバイルの機能の違いでした。